小辺路(2.三浦峠越) 


【登 山 日】2006年4月22 日(土)〜23日(日)
【メンバー】日本山岳会関西支部 15名、会員外5名 計20名
【コースタイム】
22日 三浦口11:00…二五丁石12:10…三十丁水場12:15…三浦峠(昼食)13:05〜 13:30…古矢倉跡13:50…一石五輪塔14:30…観音堂15:00〜15:10…西中15:45


4月22日
先月、前半部を五百瀬で終えた小辺路を継続する例会山行。今年の気象はなかなか定まらず、今日も夜には雨の予報である。民家の石垣にシバザクラが美しい三浦口で貸切バスを降りる。前回の終了点、五百瀬から短いトンネルを抜けたところである。11時、森沢さんを先頭にスタート。今回、私はパーティのしんがりを務める。民家の横を下り、昔は舟で渡ったいう神納川(かんのかわ)を船渡橋で越える。
棚田や民家の横の石畳の道をしばらく登ると吉村家跡で、防風林の役割をしていたという巨大なスギの木が並んでいた。広大な敷地跡から、こんな山中に豪壮な屋敷があったことが偲ばれ、その規模に驚く。
伯母子岳が望める開けた処から、スギ林の中に入りつづら折れに登る。三十丁の丁石の先に水場があり、清らかに流れる水で喉を潤した。暗い林の中で、アケボノツツジのピンクがそこだけ明るい彩りを見せている。峠が近くなると右手が明るく開け、大きくナギ落ちた荒れ沢を二度越して行く。ゆっくりと時間をかけて、標高差700mを約2時間で登り切ると、今日の最高点・三浦峠である。林道が通り、立派な休憩所と古道の説明板ができている。ここで昼食にするが、じっとしていると肌寒いので早々に峠を下る。
林道を横切り再びナラ、クヌギなどの暗い林に入る。古矢倉跡にはかって茶店があったそうだが、今は頭に緑のコケの花を咲かせた古い石仏が一体残っているだけだった。その先にも石垣が残り、出店跡の標識が立つ。かっては往き来の多い道だったのだろう。ここで道は二つに分かれるが、道標通り尾根を行く旧道を行く。一石五輪塔を見て、しばらく下ると観音堂があった。扉が大きく開かれていて、中央に半跏思惟像の観音様、両脇にも二体の石仏様が安置されていた。観音様は中宮寺の如意輪観音によく似ておられるように思う。
やがて左側が明るく開け、行仙岳の下に今西集落が見えるところにでる。手前の山肌に満開のヤマザクラが美しい。更に下ると舗装林道に出て、15分ほど地道 と林道を交互に下って今日の行程約10qを終了する。ちょうど迎えのバスに乗り込む時に雨滴が落ちはじめ、平谷の民宿の露天風呂には傘をさして入る。かけ流しの温泉と山の幸と美味い酒で、雨の音を聞きながら山の疲れを癒した。


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