108 戒 場 山
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【日 時】2008年11月13 日(木) 【メンバー】芳村嘉一郎、和子 |
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素晴らしい快晴の空の下を大和富士・額井岳へ向う。十八神社横に駐車させて貰い、鳥居下から神社に手を合わせて山道に入る。薄暗い杉林の中でヤマカガシの出迎えを受けてぎょっとする。林道に出て20m
程行き、別の林道脇から道標に従ってゴロゴロの歩き難い道を登る。 昨日までの寒さが和らぎ、暖かな日差しにすぐ汗が滲んでくる。ジグザグの登りは香酔峠への分岐で大きく右に折れ、頭上の青空目指して急登して額井岳山頂に着く。 |
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東屋横の大きな山名板と四等三角点を入れて記念写真を撮る。南側に張り出した展望台からの展望は正面に大台、大峯の山々、その左に三郎ヶ岳。右の竜門岳から音羽三山の方は惜しくも木の間越しの眺めである。伊那佐山はすぐ目の前で、烏塒屋山の姿が美しい。眼下に榛原の市街地、西に色とりどりの錦の衣を纏い、どっしりした山容の貝ヶ平山。香酔山はこじんまりと可愛い感じである。ゆっくり景色を眺めてコーヒータイムを楽しんだ後、やっと腰を上げる。 | |
戒場山への稜線歩きは、滑り落ちそうな急坂の下りで始まる。ところどころ虎ロープが張ってあるので、それほど危険な感じはしない。いったん下りきって登り返し、しばらくはなだらかな道になる。青みがかった岩が並ぶ間を通り、林が途切れると電波反射板が立つ見晴らしのきくところに来た。正面に紅葉や黄葉の美しい戒場山が高く見える。ここからまた下ると、右へ山辺赤人墓への道を分けて林の中の登りになる。次第に厳しくなる道に、たまらず立ち止まって息を入れる。傾斜が弱まると間もなく三等三角点の埋まる戒場山山頂に着いた。薄暗い林の中で、展望はまったく効かない。しばらく歩き回って思わぬ時間を費やした。 | |
稜線を離れる場所からの下りは、じめじめした谷間に苔むした石が転がっていて歩き難い。それでも距離は短くすぐに戒長寺に下りつく。鐘楼脇に「落葉の時期にはイチョウの葉をむやみに踏まないよう」という意味の注意書きがあった。しかし境内の落葉はまばらで、7年前の黄色の絨毯を敷き詰めたような光景は夢のよう。「まだ時期が早いのかな」と言っていると、現れた大黒さんが「ここ二、三年は気候のせいかお葉付銀杏を見つけるのが難しくなりました。今年はギンナンもこれだけ…」と笊に入ったわずか二、三個の実を見せてくださった。ここにも地球温暖化の影響が及んでいるのだろうか。 長い石段を下って東海自然歩道にでて、山麓の道を歩く。前には何軒も出ていた農作物の無人販売所も一軒だけで、それも台の上は空っぽだった。 | |
自然歩道とはいえずっと舗装路で、けっこう長く感じる。それでも正面に紅葉の額井岳、左手に広がる曽爾の山々や三郎ヶ岳などを眺めながら退屈せずに歩く。山辺赤人墓を過ぎると駐車場所の十八神社までは近かった。 この時期、近場で紅葉が見られる山は駐車にも苦労するところが多いが、この山を選んだのは正解で、とうとう一日中、一人のハイカーにも出会わなかった。天候も展望も申し分のない山歩きだった。 |
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以下は上記にある7年前の山行記(2001年11月25日)と当時の写真の一部。 | |
(稜線を離れ)美しい熊笹の中をしばらく下ると、神社とお寺(戒長寺)の屋根が見えてきた。 神社には樹幹に注連縄を捲いた朴の大木がある。県指定天然記念物である。 *ホウの巨樹(説明板より)県指定天然記念物。 モクレン科に属す日本特産の植物。温帯に分布する落葉高木で、北海道以南の地方では標高600m地帯に分布する場合が多い。葉は古くより食品を包んだりに用いられ、材は質が均一で美しく、比較的柔らかいので、図板や建具に用いられる。利用が多い樹種のため巨樹老木が少ない。 目通り6.2m、高さ15mの巨樹は、おそらく300年以上の樹齢のもので、この種類の植物として貴重な存在である。 |
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お葉付きイチョウ |
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戒長寺梵鐘−正応4年(1291年)の銘がある。鐘身に十二神将像(薬師如来の眷属)を鋳出する珍しい形式 |
神社横からお寺に続く境内は、ぎっしりとイチョウの葉で埋め尽くされて黄金色の絨毯を敷いたようだ。山門横の有名な「お葉付きイチョウ」から、はらはらと葉が舞い降りてくる。ちょうど境内に出てきた住職から話を聞いた。 目通り4m、高さ30mの大イチョウは樹齢500年、ごくまれに葉に実が付くという珍しいものだ。和子が落ち葉の中から「お葉付きイチョウ」を見つけ出した。「寺でも焼酎に漬けておいて参拝者に見せている」ほど数が少ないそうだ。普通のギンナンは正月の参拝者に配るという。 十二神将の飾りが付いた梵鐘が下がる鐘楼から石段を下る。見上げるとイチョウの黄、紅葉の赤、空の色の青さが、鮮やかなコントラストを描き出している。 |
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「奈良100遊山プラス10」 ペンギン夫婦お山歩日記 |