絶景台湾 4日間の旅 


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2017年6月6日〜9日の4日間、JTB社の「絶景台湾 大自然と佳景を訪ねる」ツァーに参加しました。14名限定で他の日本人観光客には出会わない、これまでの観光地巡りとは一味違うツァーでした。幸い、一度短い夕立に会っただけで晴天続きの暑い旅でしたが、下車して歩くところも多く、汗を流しながらウオーキングも楽しめました。
第一日目 6月6日

現地時間の14時15分、台南空港に降り立つとカンカン照りで、むっとした熱気に包まれた。
 冷房の効いた小型のバスで宿泊地の関子嶺に向かう。

1時間あまり走って最初の観光地・月世界に着く。現地女性ガイドの話では2日前まで大雨だったそうだ。風が強く、傘を差したりすぼめたりしながら見て歩く。周囲には熱帯雨林が生い茂っているのに、この一角だけが、荒涼とした世界を形成している。

台湾には月世界と呼ばれる似た地形が他に三カ所あるが、高雄市と台南市にまたがるここは
草山月世界と呼ばれる。泥岩、砂岩、頁岩などで構成される土地が、アルカリ性が強いため植物が育たず、数億年にわたり雨水で浸食されて、このような地形を生み出した。

灰白色の地形は発光性の鉱物を含み、月光に照らされると微かに光るという。
30 分ほど散策してバスに帰り、しばらく走って台湾四大名湯の一つ関子嶺温泉のホテルに着く。いくつかの露天風呂(水着が必要)は、まばらに入浴客があったが、大浴場は私たちのグループ(男性は6人)だけで貸し切り状態。美人湯で名高い泥湯だが、底の方に緑灰色の泥が少し溜まっているだけだった。夕食は当地美食(郷土料理)。台湾ビールを飲んで、広い客室で寝に就いた。

第二日目 6月7日
4時頃、野鳥の声で目を覚ます。コツコツと音がするのはキツツキだろうか。関子嶺の「関」は「高」の意味で改めて300mの山中にいることを思い出す。 今日も朝から良い天気で暑くなりそうだ。まず関子嶺の代表的な観光スポット
「水火同源」で、泉に火がともる珍しい現象を見る。
またの名を「水火洞」ともいいます。白河区枕頭山の西南にあります。康煕40年(1701)福建省からやって来た高僧により発見されたと伝えられます。 断層に浸透した六十渓の水が地底の天然ガスを取り込み、岩の隙間から湧き出て炎が水面で燃え、水の中に火あり、火の中に水ありという奇景が見られます。(現地説明版による)
 故事 麒麟伝説
昔、一頭の麒麟がいた。頭はこの水火同源にあり、尾は東に延びて(今の)紅葉隧道に届いていた。麒麟のいた場所は現在、関子嶺温泉として知られていて、温泉の水はその麒麟の尿である。麒麟は社交的で活発で、(今も水に)火を灯して人々を楽しませている。(現地説明版による)

少し走って碧雲寺へ。
1701年の開山で、もともと火山寺と呼ばれ観音菩薩が祀られている。 碧雲寺に到着すると、背後の枕頭山は雲霧でぼんやり霞んでいた。
 山門の屋根は美しい装飾で飾られ、門前には立派な石獅子が据えられている。雌雄の二頭で、顔が笑っているようなので笑獅子と呼ばれているらしい。
山門ごしに本堂、その後ろの高い所に見えるのは三宝殿
本堂では地下からの天然ガスの聖火が燃え続けている。線香に点火するところも天然ガスの火で、請勿熄火(火を消さないで下さい)と書いてある。
拝殿はかなり高い所にあり、エレベーターで上下できる。これは中間にある広場。美しい観音様像の後ろの石壁に羅漢様が埋め込まれている。この写真を撮りたいので、階段を使った。 拝観を終えたころ快晴になった。 寺内から山門を見る。前の広場からは壮大な嘉南平原が見下ろせた。左に興達港、右に布袋港が見えるという。
ゆっくりと参拝を終えて、中央高速公路(国道一号線)を北へ。嘉義市の南郊外にある北回帰線天文広場で下車。標塔は日本統治時代に台湾鉄道の開通記念に建てられたもののレプリカ(一番手前)から、第五代までがずらりと並んでいる。 現在の六代目標塔は左の建物(太陽館)で、塔の高さは28m。館内では天文にまつわる展示<左のcollage右下>があるが、上映中の3Dムービー(10分)を見ただけで時間切れになった。
嘉義市内の中国風庭園を持つ餐庁(レストラン)東園軒で、彩りも鮮やかな浙江料理の昼食をとる。
 午後は嘉義から阿里山へ曲がりくねった道を登り、16時前に標高2000mを超す「台湾一美しい高山の宿」が売り物の、老舗旅館「阿里山賓館」に着いた。 歴史館と呼ばれる本館の部屋に荷物を置いて、檜などが生い茂る巨木群木道を散策。出掛ける頃から夕立があったが、しばらく歩道を歩くうちに止んだ。
阿里山は豊富な檜林を持ち、日本統治時代から阿里山鉄道が敷設されて開発が進められた。巨木群木道(周遊路) 第一歩道は、三代木から木の桟道道をもと阿里山神木のあった阿里山鉄道神木駅まで約600m下る。


入口にある
三代木。初代の樹齢は1500年である。 この木が枯れて250年後、一粒の種がその上に落ちて、枯木の養分で二代目として成長したが、今は抜け殻となった根だけが残っている。それからまた300年経過して生じた三代目が、現在、枝葉を繁茂させている。
象鼻木




少し上から見ると老いたゾウのように見える。湿潤な気候のため苔やシダに覆われて、まるでマンモスのようだ。


上左:統治時代に多量の木を伐採した日本人が樹木の霊を弔うために1935年に建立。塔身は檜の幹を五輪の台座は五百年の年輪を表している。
上右:慈雲寺 阿里山開発初期の1919年、日本の曹洞宗管長・日置黙仙師がこの地を印度の聖地・霊鷲山の様に感得して阿里山寺を建立。タイからは千年前の古い釈迦像や内面に金箔を貼った銅の鐘を贈られた。


千歳檜  樹種は紅檜で胸囲:11m、樹高:35m、樹齢:約2000年で、現在、第二の神木とされている。
阿里山博物館 森林鉄道や林業の歴史に関する展示や各世代の機関車模型が展示されている。 林の中を下って行くと、このような赤檜の巨木が次々と現れる。左は16号樹で 齢約1600年、幹周り10.5 m、高さ42m。右は17号: 樹齢約1700年、幹回り11m、高さ38m。

香林神木 曲がりくねった桟道を阿里山鉄道神木駅に下る。駅の前に横たわる香林神木は1906年、小笠原富次郎が発見した樹齢3000年以上の檜で、1997年、落雷で倒れ、翌年に伐り倒された。 神怡龍瀑(神様が喜ばれる滝の意味?)の前の橋を渡って第二巨木群木道を登り返す。


巨木群のリーダー格・
28号巨木
木道全体の紅檜(台湾ヒノキ)を代表する巨木で、黄色のツツジやツルシダなどの台湾固有の植物が寄生している。



帰途、
受鎮宮に参拝。玄天上帝を祭る道教寺院で華やかな色彩の彫刻に飾られている。
ホテルに帰り、夕食後は屋上から沈み行く夕陽を鑑賞した。


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