90 東床尾山(839m)





90東床尾山(839.1m)<丹波高原西部>

(ひがしとこおさん) 兵庫県和田山町の北端、糸井渓谷の奥に位置する一等三角点(839.1m)を有する山、南西2kmにある西床尾山、鉄鈷(かなとこ)山とあわせて糸井三山と呼ばれる。

2003年10月26日、千日山歩渉会のメンバー7名で登った。糸井渓谷沿いの林道を羅漢谷出合の西床尾山登山口を過ぎ、車止めで駐車。ここでJAC会員の須磨岡さんに出会う。「はりまハイキング」や「たじまハイキング」の 著者で新ハイキング・クラブのリーダーでもあり、この山域の精通者である。
 5〜600mほど沢沿いに登ると、囲いの中に国の天然記念物
「糸井の大カツラ」が立っていた。樹齢2000年、高さ35m、6畳ほどもある主幹は枯れてガランドウになり、その周囲に大小80本という「ひこ生え」が取り巻いている。須磨岡さんパーティ3人の後を追うように出発。カツラの後ろで橋を渡り、よく整備された右岸の道を行く。左岸に渡り返すと涼しいスギ林になり、対岸に「助右エ門桜」の大木を見る。更に登ると「衣谷鉱山精錬所跡」の案内板がある。ここで昭和初期まで金が取れたということで、河床や道端に精錬後の鉱石が山になっている。
歩き始めて30分近くで分岐にくる。自然歩道は左の避難小屋のある稜線に向い、峠を越えて出石へ続いている。沢を離れてしばらく山腹を登り、やがて三角点から派生する尾根の直登となる。途中で一息入れて林を抜け、ようやく青空の下の広い山頂に飛び出した。 さすが一等三角点のある山頂だけに展望は素晴らしい。北に出石の街並みの向こうに法沢山、高竜寺ヶ岳、右手奥に微かに日本海と丹後の山が霞んでいる。東は大江山塊と三岳山、東南すぐ近くに鉄鈷山、南には粟鹿山と氷上の山々、
南西の西床尾山の後ろに笠形山、ぼんやりと段ヶ峰、西の氷ノ山方面は黒い雲に覆われているが、北にかけて神鍋、須賀ノ山、扇ノ山…と遮るものがない。(これらの山の名前は、須磨岡さんからていねいに教えて頂いた。) 食事中に西床尾山から縦走してきたJACの中島氏ら4人が山頂に到着。3グループ全員で記念撮影後、鉄鈷山へ縦走する。朝来郡と出石郡の境界になっている南東に延びる稜線を行く。
紅葉の始まった疎林の中に踏み跡が続き、顔色も気持ちも明るくなるような楽しい道だ。やがて急坂を滑り落ちるような道に変わり、山腹をトラバースするように下って朝の駐車場所から登ってきている峰越林道に降り立つ。右手にススキと紅葉に彩らた鉄鈷山を見ながら但東町への峠を越えて再び右の稜線に入る。

718mピークから小さい鞍部に下り、ススキの原をかき分けながら登り抜けると、やや急な笹原の登りとなり、林の中の鉄鈷山ピークにでた。北側が僅かに開け木の間から東床尾山が見えた。

【コースタイム】駐車場所10:05…糸井大カツラ10:15…避難小屋との分岐10:47…東床尾山(839.1m)11:17〜12:25(昼食)…林道に出る13:15…718mピーク13:50…鉄鈷山(770m?)14:05〜14:15…衣谷精錬所跡15:05…糸井大カツラ15:15 

私の関西百山
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