86 大文字山(466m)





86 大文字山(466m)

(だいもんじやま) 北の比叡山から南の稲荷山まで京都の町の東に連なる山並み「東山三十六峰」の主峰である。すぐ東の如意ヶ岳と併せて東山如意ヶ岳とも呼ばれた。お盆の16日に精霊送りの行事として、山腹に巨大な「大の字」が描かれることで有名。金閣寺に近い左大文字山では、大の字を裏返しにした「左大文字」が送り火とされる。

1982年4月、町内のハイキング同好会月例会で南禅寺から歩いた。

『赤レンガの疎水橋の下から山に向かう。…新島穣の墓を過ぎ、木の間がくれに下界がうかがえるだけの単調な上りで稜線に出る。ゆるい下りで山中の少し広い十字路は、大津と鹿ヶ谷とを左右に分けている。俊寛もたどった山中かと思うと興趣深い。ここから更に一登りで三角点につくが、展望はあまり良くない。(南禅寺より約1時間)。
15分ほど下ると急に視界が開け、大の字の字面の一番上の地点に着く。京の街が眼下に広がる様は、まさに絶景。今まで樹林に視界を遮られていただけに、一段と印象的である。京の町並は背後に嵐山と賀茂の流れや御所の緑を控え、寺院の屋根や塔が散在し、さすが1000年の歴史の重みといったものを感じる。』
18年後の2000年2月、南禅寺に車を置いてふたりで同じ道を登った。尾根へ登る途中では日陰に雪が残っていた。

『十字路の峠に出ると、立派な京都一周トレイルに出会う。NO.42の標識がある。直進すれば山科御陵への道、大文字山へは左にこのトレイルを行く。標識NO.45でトレイルを離れて、少し登ると三角点である。…ぐんぐん下っていくと、ぱっと視界が開けて大文字の火床の上に飛び出した。レンガで囲った火床の横に、三角錐を逆にしたような金属製の新しい容器が取り付けてある。前には確かこんなものはなかったが、燃料でも入れておくのだろうか?
「大の字」の横棒端辺りに腰を据え、京の町を見下ろしながらお握りを食べ、ラーメンをすする。右手の比叡山はくっきり見えるが、正面の嵐山から右手奥の愛宕山にかけてはぼんやり霞んでいる。眼下の銀閣寺の森の向こうに吉田山、その奥に京大。黒谷光明寺の寺院群左に平安神宮の真っ赤な大鳥居。京都タワーは春霞のベールの中だ。ゆっくり展望を楽しんで急坂を下る。』
 前に来た時と同じく銀閣寺に下り、哲学の道を南禅寺に帰った。

<写真はすべて2000年のもの>

私の関西百山
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