85 比叡山(848.3m)





85 比叡山(848.3m)

(ひえいざん)京都・滋賀の府県境を南の四明ヶ岳から北に連なる山並みは、琵琶湖東岸からは大きな山塊に一望できる。京都側からは秀麗な山容のため「都富士」と呼ばれた。八瀬からケーブル、ロープウェイを乗り継いで、簡単に遊園地のある四明ヶ岳(838m)に達することが出来る。登山コースとしては修学院駅から「きらら坂」を登るのが普通である。この道は昔、叡山の僧兵が強訴のために神輿を担いで都に降りた歴史の道でもある。比叡山は最澄によって開かれ、延暦寺を中心とした東塔、西塔、横川の三塔十六谷と言われる全山が寺域である。宗教的には東山麓
の近江側からの道が表参道とされ、坂本には今も多くの僧坊がある。

2004年9月、千日山歩渉会14名で日吉大社から参道を上り、大比叡三角点(848m)を踏んで無動寺谷道を下ったときの想い出を記す。
 大宮川観光駐車場に車を置き、日吉大社と比叡山高校の間の石段を登って山に向かう。しばらく林道を歩き左側の急な山道に入る。送電線鉄塔を過ぎると、なだらかで歩きやすくなる。この道は東塔本坂といい、昔はたくさんの人が利用した参道で、随所に石段や手摺りなどの名残があり整備されている。
 歩き始めて45分で左側が切れ落ち、道の中央が抉れた急坂となる。しかし、短い登りで三体の石地蔵の立つ草地に出た。ここから林道経由で坂本へ下る道がある。3分ほどで亀堂に着いた。背中に石碑を乗せた亀の像が古いお堂の前にある。左に法善堂を見ると道は舗装された坂道になり、延暦寺の境内に入る。すぐに根本中堂の前で、比叡山の中心部だけに大勢の観光や参拝の人で賑わっている。
坂道を登って阿弥陀堂と東塔を結ぶ回廊の下を潜るようにして裏側に回り、左に山に向かう道を登る。狭い平地にでると古いお堂の背後、深い杉林の中に「登山道」の小さい標識があった。尾根に出て右に折れて無線中継塔の立つ山頂部に来る。給水設備裏の高みに一等三角点と大比叡の山名板があった。背の高い杉木立に囲まれて展望は全くない。東に延びる尾根の杉林の中をぐんぐん下る。智辯大師廟を過ぎて古い墓地を通り抜け、ドライブウェイに降り立った。
 赤い鳥居を潜り、西尊院横の歩道を下るとケーブル延暦寺駅。眼下が開け、薄日が差す琵琶湖南部が初めて望めた。
石の鳥居を潜って無動寺参道に入る。石段を下り、玉照院前から竹藪を通る山道になる。急坂を下り、小さい沢を二つ渡る。沢沿いに下り、 小さい尾根を一つ越すと再び長いなだらかな下りになり、県道に出た。

【コースタイム】大宮川駐車場9:45…日吉神社9:50〜10:00…大宮谷林道分岐10:50〜11:00…亀堂11:03〜11:05…根本中堂(見学、昼食)11:15〜12:05…大比叡三角点(848.3m)12:45 …ケーブル駅13:10〜13:20…日吉神社14:35〜14:45…大宮川駐車場14:50

私の関西百山
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