81 帝 釈 山(586m)





(たいしゃくざん)六甲西北(行政区画上は神戸市北区)に位置する標高500〜600mの低山の連なり丹生山系で二番目の高さの山。山名は昔、山頂にあった明要寺の本尊が十二天の一つ・帝釈天であったことによる。山頂からの展望は素晴らしい。
 山系での最高峰である稚児ヶ墓山(596m)への縦走路がよく歩かれているが、2005年9月に交通の便を考えて衝原湖畔に車を置き、帝釈山からシビレ山を周回した。

 
衝原(つくはら)湖から義経が一ノ谷奇襲に使ったといわれる義経道を登るつもりが、少し東寄りの林道に入ってしまった。30分ほどで「十七丁」の町石の立つ表参道と合流する。 延命地蔵のたつ「十一丁」(写真左)から山道に入り、かなりの急坂をジグザグに登って「四丁」を過ぎると道はなだらかになり、山頂部の平地に来る。大きな石の鳥居を潜り、草ぼうぼうの社務所横の短い石段を登って丹生神社に詣でる。
585mの帝釈山頂は小広い草地に石の祠が二つ残っていて、かっての丹生山明要寺奥の院の雰囲気を残している。草に埋まるように二等三角点があったが、残念ながら薄曇りで展望は今ひとつ。それでも西六甲の山々が近く、明石大橋も薄く霞んで見えた。 シビレ山へは砂岩の急な登りから朝日山を越えて、再び急登で山頂に立つ。
ここへは90年3月に来ている。少し先の古代祭祀の跡から急な尾根を下る。白い砂岩に緑の松が点在した湖南アルプスに似た眺めだが、勾配が強いので慎重に下る。
コウモリ谷の核心部手前から 尾根道に逃げて峠を越すと、眼下に青い衝原湖が見えた。







駐車場に帰り、箱木千年家を見学。少なくとも14世紀以前の、おそらく現存する日本最古の民家であり、国指定重要文化財である。離れの縁側に腰を下ろして、初めてひんやりした秋の気配を感じた。

私の関西百山
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