80 ポンポン山(679m)


すぐ近くを東海自然歩道が通る山頂に、次のような標識が立っている。「この山は正しくは加茂勢山といいますが、標高679mの頂上に近づくにつれて足音がポンポンとひびくポンポン山ことから通称ポンポン山と呼ばれています。京都市の西端にあたりますがこのすぐ東の地域に善峰寺、三鈷寺、光明寺などの古刹が多く、平安中期以来、仏教の地としても重要な位置を占めています。東海自然歩道」
 山名の由来については、この説が有力だが異説もある。確かに山頂付近では音がする気がするが、その理由は地層に由来するとか空洞があるとか言われている。
 登山道は南側の本山寺(高槻市)から、北側の善峯寺(京都市)、出灰(高槻市)、大沢(島本町)から釈迦岳を経ての各道がある。

 始めて登ったのは1969年4月、山友と二人で神峰山寺口から登った。雨とガスの中で展望全く効かず寒かった。善峰寺の新緑が美しく、沿道にはタケノコが無数に顔を出していた。

1985年3月は町内のハイキング同好会で神峰山寺に車を置き、明るい尾根筋を行く。遠く神戸の港を見下し、本山寺に着く。山門には、縄の長さでその年の農作の出来を占うという精進掛けがあった。山道らしくなるが、しばらく登りが続くとなだらかな尾根道や捲き道があるという操返しで、全員快調に登り続ける。最後の尾根筋へ出、木のハシゴ道を少し登り、二等三角点のある山頂に飛び出す。周囲360度の大展望で京都タワーが小さく見えた。下りも同じ道を辿る。全行程15.6km
1991年3月、本山寺の駐車場まで神峰山寺から1時間のショートカット。本山寺迄、八丁の石標がある。五丁に「役行者衣掛け松」があり、祠の中に根元の部分だけが残っている。大峯、葛城の遥拝所だけあり見晴らしが良い。遠く生駒、葛城が霞み、眼下に淀の流れが白く光っている。宝筐印塔のある三丁、一丁に勧請掛がある。寺域に入り本堂に詣で、本堂横から山道に入る。1時間足らずで頂上に着き、同じ道を帰った。
 1994年同じ会で
善峰寺(←)から登った。七曲がりの林道を登ると30分で山間の長閑な集落・杉谷に入り、舗装路が切れてようやく山道らしくなる。流れに沿って杉林の中を行くと勾配が強まりジグザグの登りになるが、自然歩道だけあってよく整備されている。急登が終わると緩い尾根道を行き、釈迦ヶ岳への分岐を過ぎて最後に短い登りで頂上に着く。下山は釈迦ヶ岳(631M三等三角点)を通る。北側だけが開けて愛宕山がよく見えた。杉の植林の中の小暗い急坂を下り、捲道になると道もはっきりして善峰寺の屋根が眼下に見えた。
2006年3月、ML低山徘徊派のメンバーで初めて北西側から登った。大原野森林公園事務所前をスタート。谷に入るには許可証が要る竈ヶ谷を遡る。二人とも初めてゴム長靴での山歩き。 軽いし、ジャブジャブ川を渡れるし、昨日の雨で少しぬかるんだ道も平気で、なかなかのものだった。野生のクレソンの葉を口にしてみると、ちょっとほろ苦い春の味がした。
ヤマシロネコノメソウの大群落を見ながら緩やかな流れに沿って行く。枝谷から西尾根に登る途中、監視員さんが頑張っていて許可証をチェックされる。 少し下った斜面一帯に黄金色のフクジュソウの花が群生していた。ロープに沿って一方通行で一周するようにコースが作られている。
写真を撮り終え、元のチェックポイントから少し登ると西尾根に出た。最後の急坂を登り切ると、人で埋まるような頂上だった。 帰りは西尾根を下った。少し開けた所で、カタクリの群生地があるという小塩山、その左にぼんやり霞んだ愛宕山が見えた。

私の関西百山
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