78 槇 尾 山(601m)


(まきおさん)大阪府和泉市。中腹(標高500m付近)にある天台宗の寺院・施福寺の山号と同じである。空海や行基も修行したという修験道の聖地で、山中には多くの滝がかかる。西国三十三ヶ所第四番札所である寺の背後の山頂は捨身ヶ岳というが、やや道が不明瞭である。途中の蔵岩からの展望は素晴らしい。
最初にこの山を訪れたのは1959年4月10日、皇太子(現天皇)ご成婚の日だった。友人と3人で9時40分に春木駅をスタートし、側川谷を遡行して清水滝などで遊び、山頂には15時に着いている。府中まで歩いて大阪へ帰って、居酒屋で一杯やっていると、TVでご成婚パレードに投石事件があったことが伝えられていた。翌年5月にもこの山の周辺を歩いているが、記録を残していない。
 15年後の1974年5月、府中からのバスで逆コースから入山した。約20kgの荷だったが快調に尾根を越して清水の滝へ。15年前に比べると道は良くなって人も増えたか、ゴミも増え、水量はぐっと少なくなったようだった。林間でテントを張り、翌日、側川口に下った。
1995年3月5日、町内の山岳会の下見に二人で登った。マイカーで側川林道の荒れた路面を走り終点の広場から指導標に難路とされている渓沿いの道を登る。人智開明の滝から清水滝(左上・写真は本番の時のもの。頂上の写真も)までは、大きな朴の葉を踏んでいく。和泉最大という清水滝の右岸の岩場を、ザイルにすがって登り、水平道を五ツ辻へ。ここには古い木の鳥居と各方面を示す道標がある。鋭角に右へ折れ、整備された松林の中の道を緩く登る。少し急坂を頑張ると右へ尾根を捲くようになり、木の間越しに大阪湾や和泉の町がちらほら望まれる。三ツ辻からは再び傾斜が強まる。
尾根上の小さな突起に登ると十五丁地蔵が鎮座し、「まきのおみち」を指す古い石標がある。
 ここから引き返し、三ツ辻からは尾根の上を槙尾山へ向かう。右手になだらかな岩湧山が見える。顕著なピークを一つ越し、再び緩く登った檜原越で昼食。急坂を下ると滝畑ダムヘの分岐があり、すぐ施福寺の境内に入った。広場から一徳坊山と岩湧を眺めて、蔵岩に向かう。急坂を登って岩の上に立つ。 
素晴らしい展望所で、東に岩湧、その向こうに金剛、葛城が、西には大阪湾と泉南の町が拡がる。早々に正面見えるビークヘ向かう。 小さな松の点在する岩稜を通り、雑木林の中を登って601ピークに立つ。三角点も見当たらず、展望も皆無で面白味のない頂上だった。
<参考コースタイム> 側川林道終点(30分)清水滝(10分)五ツ辻(40分)三ツ辻(10分)十五丁地蔵(10分)三ツ辻(15分)檜原越え(15分)施福寺(20分)蔵岩(15分)601M ピーク(30分)山門前バス停14:05(40分)側川林道終点

私の関西百山
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