77 岩 湧 山(897m)





77 岩湧山(897m)<金剛・葛城・和泉>

(いわわきやま)大阪府河内長野市にあるダイアモンドトレイルの西の主峰である。山頂一帯はキトラと呼ばれるカヤの生育地で、手厚く保護されている。898M 三角点のある山頂からは、北に金剛、葛城、東に高見、国見の鋭峰、東南に大峰の山々、南に高野の山々が紫色に浮かんでいる。西峰の広場からは眼下の大阪平野、堺臨海地帯が箱庭のようで、関西空港の向こうには淡路の島影が見える。西には槙尾山から和泉葛城につづく緑の稜線に三国山の純白のレーダードームがくっきり浮かぶ。


はじめて、この山に登ったのは1960年5月で滝畑ダムのキャンプ場で幕営して、翌日、山頂から西へ延びる尾根に登り、三角点のある西峰を経て東峰から岩湧寺に下り、長い林道を歩いてダム湖へ帰った。残念ながら、このときの記録も写真も残っていない。

その後も同じコースを歩いているが、1995年8月29日と12月17日は岩湧寺の駐車場まで車で入った。ここから参道になる「やすらぎの道」を行き、行者の滝、千手の滝、不動滝をみて岩湧寺に参拝。8月は淀君寄進の多宝塔が見えてくる辺りから、境内のシュウカイドウの花が満開だった。

岩湧寺は大宝年間(8世紀始め)文武天皇の勅願で円小角開基と伝えられる。本堂は豊臣秀頼の債権である。12月には境内の落ち葉をと掃いていた住職から、いろいろとこの寺にまつわる話を聞くことができた。寺(山) 名の由来となった「山肌から湧き出したように見える大岩」が谷の向こうに聳えているのも初めて知った。
寺から「きゅうざかの道」(もとの兼松新道)に入る。
丸太で土止めした階段状の道がずっと続き、遊歩道のような趣だが名の通り勾配はきつい。最後はロープにすがって稜線に出ると、ダイアモンドトレイルの通る東峰である。
ブナ林の中の坦々とした道から、いったん下って暗い林を抜けると、明るい緑の草原が広がる。898M三角点のある西峰山頂である。
帰りはダイアモンドトレイルを少し紀見峠の方に歩き、勾配のなだらかな「やすらぎの道」を辿った。例の大岩を真横から見上げ見下ろす(道が岩全体の高さの中間にある)所に立派な木の橋があり、間もなく往路の「きゅうざかの道」との分岐に帰り着いた。

私の関西百山
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