75  二 上 山(517m・雄岳)





75 二上山(雄岳・517m) <生駒・金剛・和泉山脈>

(にじょうざん) 大阪府南河内郡太子町と奈良県葛城市の境にあり、雄岳と雌岳(474m)の二峰から成るトロイデ式火山である。二上山の方角は、河内からは「日出(いず)る山」、大和からは「日没する山」にあたる。特に大和国中(くんなか)の古代人からは、神聖な「ふたかみやま」として崇敬された。

飛鳥の奥津城と考えられた西南麓には、古墳群と呼ばれる多くの墳墓が築かれている。 雄岳山頂には、葛城二上神社(岳の権現)に並んで、政争の末に謀反人として葬られた大津皇子(おおつのみこ)墓がある。皇子を悼んで姉の大伯皇女(おおくのひめみこ)が詠んだ歌は、あまりにも有名である。

うつそみの 人なる我や明日よりは 二上山(ふたかみやま)を弟世(いろせ)と我(あ)が見む。
二上山の三角点は雌岳にあり、周辺は自然公園「万葉の森」として整備されて展望も良く、河内平野の彼方に大阪湾が光り、大和側には大和三山、正面には金剛・葛城の峰々が見える。(写真の背後の山は雄岳)
ダイアモンドトレイルの北起点である屯鶴坊から登る道は、木の階段の連続で雄岳と雌岳のコルにあたる馬ノ背(↑)に通じている。
 
二上山駅からは国道165号線を渡って山に向かい、新池から267mピークを経て急な尾根道の登りで雄岳を目指す。
二上神社口駅からも国道を渡って町の中を行き、二上神社横から山道を登るとひとしきり登った地点にベンチがあり、二上山駅からのコースに合流する。雄岳頂上は杉など樹木が多く、展望は期待できない。
当麻寺駅からは参道を行き當麻寺北門から山に向かう。山口神社、傘堂(珍しい一本足の建築物・左)、山麓公園を過ぎ、祐泉寺山門に着く。道は二分し、左は岩屋峠に通じる。直進するとジグザグの急坂を登って、ベンチのある馬ノ背のコルに出る(駅から1時間15分)。右はガラガラの岩屑道を雄岳へ、左は遊歩道で雌岳へ通じる。いずれも15分ほどで達する。
近頃はマイカーを山麓において登ることが多い。道の駅「ふたかみパーク当麻」において周遊したり、當麻寺奥の院近くの「ふれあい広場」駐車場から登る。また山口神社横にもおける。

竹ノ内峠の下にある
大阪側登山口からの道は、日本最古の石造十三重塔で有名な鹿谷寺跡を通り、眼下に河内平野を見下ろすミニロックガーデン的な岩尾根もあって楽しい。大阪側からは30分ほどで岩屋峠にでる。
二上山には他にも様々な登山コースがある。
道の駅から(左上)「ふるさと公園」の460段の石段を登り展望台に出て、三等三角点のある444mピークからアップダウンを繰り返して雄岳に出るコース。
裕泉寺下から尾根を登り
二上覗き(↑)という岩場から上述のコースに合流する道。大池上の烏谷口古墳横から、やはり「道の駅」からの道に合流するコース。ふるさと公園南側から鳶塚を経て登る道など、いずれもちょっとした変化があって面白いコースである。

私の関西百山
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