58 行者還岳(1,546m)





(ぎょうじゃがえりたけ、又ぎょうじゃがえしたけ)七曜岳から鞍部にくだった奥駆道が、次に登り返すのが行者還岳である。大台ヶ原から見ると烏帽子型の峰が南に倒れかかったような特異な姿である。山頂の南側が垂直の断崖となって落ち込んでいるためで、その険しさに役行者でさえ引き返したという言い伝えが山名の由来である。

1998年9月、天川村側の神童子谷と布引谷の合流点・大川口から関電巡視路を登った。吊橋を渡りヒノキ林の中を急登。ジグザグを繰り返して4つ目の鉄塔の立つ小さなコブの上にでる。
少し尾根を登り、右に捲くように進む。また二つ鉄塔を見る。涸れた沢を三つほど越す。苔むした岩や倒木が多く、深山幽谷の趣。岩から水が滴っているところや、道が崩れてワイヤーが張ってあるところがある。危なっかしい桟道をいくつか通り、尾根を緩く登る。 ブナやシャラの大木が散在する自然林の中に行者還小屋の青い屋根が見えた。大峰奥駆道(縦走路)に出るところにも、とどめのように鉄塔が建っていた。奥駆道を北へ行くと、すぐ岩盤に細い滝のかかる水場に出る。その右の長短3つのハシゴを登り、笹原の急坂を登る。
林に囲まれた小台地に三角点と大きな錫杖の形の山名板があった。 正面に弥山などが見える筈だが、この日は小雨模様で無展望だった。
【コースタイム】大川口<814m>8:55…4番目鉄塔<1140m?>9:40…行者還小屋<1420m>11:10〜11:15…行者還岳<1546m>11:40〜12:10…4番目の鉄塔<1140m?>13:40〜13:45…大川口<814m>14:30
 奥駆山行のときも雨の中で、展望には恵まれなかった山である。なお、行者還小屋は2002年に建て替えられた。

私の関西百山
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