30 古光山( 953m)




古光山(953m) <室生火山群>

【こごやま】倶留尊山、亀山から南に続く稜線上にある。石英岩質で鋸の歯を連ねたようなアルペン的な風貌をもつ。天狗が住んでいたという伝説が残る。 
1997年3月4日、曽爾村役場の前から林道を大峠まで乗り入れる。立派な「ふきあげ斎場」があり、納骨堂の裏手から見上げるばかりの頭上にあるピークに向かって杉林の中を一直線に直登する。『確かにこの勾配はただごとではない。なにしろ足を水平に置く場所がないので、アイゼンワークの練習をするように斜面にフラットに靴を置かねばならず、10分も登ると足首が痛くなった。その代わり高度は面白い程稼げる。』
 灌木帯の尾根らしいところに出て40分ほど登って小さいピークを過ぎ、すぐまた急坂の登り。 
南峰(5峰)から次の4峰までが岩稜の岩尾根で、縦走路のハイライトだが、ちょっと岩の感触を味わっただけで、あっと言う間に終わってしまった。 残雪の上にでた岩を踏んでいくと、あっけなく三等三角点の埋まる頂上に着いた。
この年には周囲は灌木に囲まれ、僅かに枝越しに倶留尊山が見えただけだった。ここから後古光山に向かうが、地図を出すのを怠ったため大失敗。『道標は頂上手前で右に急降下する道を指していたが、ぐるぐる動くので信用できず尾根を直進してしまう。雪の上に何か大きな動物の足跡が残る広い道になり、松林の中を下っていく。
 10分ほど歩いておかしいと気が付いて引き返す。しかし気勢を削がれ、帰りのことも考えて後古光山はまた次の機会に残す。南峰でゆっくり周囲の展望を楽しむ。南東に三峰山のどっしりした山容、10日前登った高見山。その右手遠くに大峰の山々が青く霞んでいる。東に住塚、国見山。その右の鎧、兜は、ここからだとあの怪異な姿に見えず平凡な形だ。

2008年5月16日。北側の曽爾高原から登る。杉植林の中を緩やかに登った長尾峠が登山口になる。後古光山へは、林の中に延々と続く木の階段道を登る。
 いい加減あき飽きする頃に階段は終り、土の感触が嬉しい登りになる。大きなリスが目の前を横切って大きな木に飛びつき、トンボ返りして元の笹原に逃げ込んでいった。 なだらかな尾根道となり、のんびり歩く。展望が開け、左に尼ヶ岳や大洞山、右に住塚山や屏風岩から鎧・兜岳と続く稜線が見え、行く手には後古光山と古光山の頂きが並んでいる。
再び林の中の急坂となるが、登り切ると後古光山(892m)の狭い山頂だった。 背後に亀山から二本ボソに続く稜線、尼ヶ岳、大洞山、三峰山、局ヶ岳と遮るものない大展望だが、頭上からさんさんと降り注ぐ真夏のような陽光に早々と出発する。
下りは上りにもまして急な斜面で、岩や木の間に張られた太いロープを頼りに下る。薄暗い林の中に大きな岩がごろごろする処を通り、二重、三重にロープが張り巡らされた急斜面の下りになる。「少年自然の家」を利用する子供たちのハイキングコースになっていて、そのために整備が行きとどいているようだ。
勾配が緩んで気持ちのいい疎林となり、フカタワと呼ばれる後古光山と古光山の鞍部に下る。(←フカタワ)
 曽爾と御杖を結ぶ道の通る峠でもあり、気分まで広々と明るくなる。古光山へは更なる急坂を、ロープや木の根の助けも借りて登る。灌木帯を少し登ると三等三角点の埋まる山頂に飛び出した。
 帰りは元の道をフカタワへでて林道「古光谷線」を下り、林道入口から緩やかな舗装路の登りで駐車場へ帰った。

【コースタイム】曽爾高原駐車場10:25…長尾峠10:40…後古光山11:35〜11:40 …フカタワ12:15…古光山12:40〜13:10…フカタワ13:35…林道古光谷線入口14:00〜14:05…駐車場14:25(2008年5月16日)


私の関西百山
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