26 油日岳( 698m)




右端の鞍部・ゾロ峠から左へ倉部山683m(細長いピーク)、三国岳711m(美しい三角錐)、
忍者岳728m(東油日岳)、加茂岳720m、左端が油日岳


【あぶらひたけ】鈴鹿山脈の南端部、甲賀・伊賀の県境に位置する。甲賀・油日神社のご神体山で、山頂には岳明神の祠がある。山名は「山頂に降臨した大明神が油の火のような大光明を発した」ことに由来するという。
1994年11月20日、町内のハイキング同好会のメンバー6人で登った。山麓の油日神社に詣でて今日の無事を祈り、林道終点まで車を進める。小暗い杉林の中、右手の小さい流れに沿っていく。大きな岩のあるところから山道らしくなる。花崗岩の崩れたような道、落ち葉を敷き詰めた道と次第に高度を上げ、勾配も強まり電光形に登るようになる。最後の水場を過ぎ、熊笹が現れると一登りで稜線縦走路のT字路に出た。右へ小さいアップダウンで698Mの頂上。40分で登り着いたことになる  
椿の花の咲く平地の一角に嶽明神の祠があり、西、北方だけ展望が拡がる。
 昼食を済ませ、縦走路を東に向かう。T字路からはクヌギ、カエデ、ブナなどの雑木林の中、勾配の強い、滑りやすい登降が連続する。
 705Mの東油日岳で右に折れ、砂地に露岩と小さい松が点在する明るい尾根に出る。左前方に那須ヶ原山が大きく、目指す三国山へ続く稜線が始めて望めた。局ヶ岳、錫杖ヶ岳の特徴ある姿も見える。
蟻の戸渡りのような痩せ尾根を過ぎ、かなり降って、また展望のない林の中の急坂を登ると三国山だった。帰路は同じ道を引き返した。

2009年5月1日。三重県側の南登山口からゾロ峠へ登り、北へ縦走する。
奥予野森林公園にある南登山口には「東海自然歩道ゾロ峠へ」の道標の下に「壬申の乱・大海人皇子美濃への通路」「源義経平家追討のため四国への道」などの標識があり、何となく歴史の香りが濃い。
 整備された沢沿いの道を登り、最後はヒノキ植林の階段道であまり峠らしくないゾロ峠に着いた。
立派な道標は「ぞろぞろ峠」となっている。休まずに左の「倉部山」へ向かう。小さなガレ場を通り植林帯の中を急登すると、細長いピークの上で倉部山の標識があった。 右手が大きく開けたガレ場の上で、正面に錫杖ヶ岳、その右に経塚山が望めた。
ここから三国岳へは虎ロープの張ってある急登である。あちこちでイワカガミの花が迎えてくれたおかげで疲れも感じず、思ったよりも楽に三国岳(←)に着いた。
 「イワウチワもあればいいのに」と言っていると、タイミングよく♀ペンが何輪か咲いているのを見つけた。しかし蕾も多いカガミに比べ、ウチワの方は花期が終わったらしく少し萎れた感じだった。
 ここからの急な岩場の下りには、真新しい白いロープが張られている。 下りきった鞍部から登りかえすと忍者岳である。 確か前は東油日岳と呼ばれていた728mピークで、縦走路中での最高点になる。
さらにキレット状のところや崩壊の進んだ痩せ尾根上を交えてアップダウンしていき、加茂岳の標識を過ぎるとスギの古木が影を作る油日岳に着いた。嶽明神の祠に手を合わせ、昼食。
 滋賀・三重の県界尾根を下って登山口に帰着した。花と展望の楽しい山歩きに満足した一日だった

私の関西百山
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