25 宮指呂岳(946m)





奇岩・三体仏より野登山を望む

【くしろたけ】鎌ヶ岳から南に延びる国境稜線の上にあり、山名は標高をそのまま当て字にしたものである。短時間で歩けるが、頂上付近は巨大な岩が多く変化があり、展望にも優れている。 
小岐須渓谷への標識で巡見街道を左折、正面に鈴鹿南部の山々を見ながら走る。御幣川林道の大石橋近くに駐車する。ダムの横を通り、沢沿いに登る。10分ほどでカワラコバ谷コースとの分岐に来て、左のヤケギ谷に入る。何度か沢を渡り返しながら高度を上げる。源流の様相を見せるガレを横切ってジグザグ道を登る。雑木林の中、山腹の捲き道になり、笹原を切り開いた中を小さな沢をいくつも越して行く。笹がなくなると明るい尾根道になり、ここからはベニドウダンの林の中を行く。
やがてぽっかりと目の前が開け、大きな花崗岩がいくつも立つ「東海展望」に飛び出した。目の前に電波塔のある野登山、そこから仙鶏尾根が仙ヶ岳の双耳峰に伸びている。 あそこを歩いたのも快晴の夏の日だったことを思い起こす。仙ヶ岳から宮指路岳に続く稜線がアライ谷を隔てて鋭く連なり、手前右手には三体仏と呼ばれる岩峰が見える。ずっと左手に伊勢湾、四日市方面が霞んでいた。
少し休んでいるうちに人が増えてきたので頂上に向かい、途中、崩れやすい風化した花崗岩の上を降りて三体仏岩を見に行く。
 頂上手前のピークからは、紅や白のドウダンツツジを前景に鎌ヶ岳、御在所ヶ岳、入道ヶ岳が鮮やかに見えた。
 しかし、宮指路岳の頂上は狭く展望もないので、写真だけ撮って先を急ぐ。
すぐに林を抜け大きく視界が開けて、馬乗り岩という巨岩が立つ広場に出た。岩の上に登ってみたが、とても風が強く吹き飛ばされそうで寒い。
 広い笹原の中を少し行くと右に直角に曲がり、小岐須峠に出た。カワラコバ谷を下る。次第に荒れた沢に沿った急な下りとなり、山腹をへツルような狭い道を慎重に下る。
やがて落差の大きい見事な法丁の滝を見て、どんどん下っていくと元の分岐に出た。久しぶりの鈴鹿の山は二人の期待を裏切らず、素晴らしい展望と爽やかな緑の嵐で迎えてくれた。(1998.05.31)
*鈴鹿南部には他にも文中の野登山、仙ヶ岳など「私の関西百山」リストに挙げたい山があるが、この宮指呂岳と次の油日山の二山にとどめた。*

私の関西百山
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