20 雨乞岳(1238m)


東雨乞岳より本峰

【あまごいたけ】鈴鹿第二の高峰。山頂に山麓の農民の信仰対象となった池があったことが山名の由来とされる。私たちにとって鈴鹿7マウンテンの最後になるこの山は、アップダウンが多く、かなりのロングコースになった。

三重・滋賀県境となる鈴鹿スカイライン武平峠トンネルの三重側駐車場に車を置き、正直に武平峠へ大きなザレ場を登り下りして滋賀側へ出たので30分ロスした。トンネル出口すぐに登山口の道標があった(トンネルをくぐればよかった)。丈を超すススキの原を登る。振り返ると鎌ヶ岳が高く聳えて見える。次は雑木林の中の嫌な道。勾配はさはどでもないが、半ばぬかるんだ道の上に木の根が張り出し、両側は熊笹、ときどきザレ場もあり、時間が過ぎる割に行程は捗らない。水音が近づき、やがて小沢を渡り、流れに沿うようになる。流れに沿って行くと愛知川の源流に出た。
この辺りは幾つかの沢が入り交じり、複雑な地形だ。コーヒーを沸かして朝食のパンを食べる。
 左手の沢に下り、沢沿いに行き、右手の尾根を直登する。崩壊したガレ場をへつり、尾根を越してまた別の沢・クラ谷に下る。
 何度も流れを渡り返し、静かな流れに沿う道、捲道、沢の中の道と、変化に富んだ潮行が続く。所々で出会う滝も、小振りながら美しいものが多く、楽しい沢歩きだ。
流れは次第に細く、水流も少なくなり源流の近いことを思わせるところで沢を離れ、右手の山腹へ登り七人山のコルに着く。
 やがて猛烈な熊笹のプッシュとなる。遂にはトンネル状になり、潜って行く所もある。雨裂で溝状になつた所も登る。しばらく頑張ると勾配がゆるまり東雨乞岳頂上に着く。広々とした樹木の無い頂上はまさに360度の展望台だった。
 
しかし、国見と御在所、鎌ヶ岳が見える他は雲が低くて余り展望はない。三重県側の平野には陽が当たっているが、近江平野の方は暗雲に閉ざされている。目指す雨乞本峰は熊笹の海の向こうに見える。
 だが、10分ほど熊笹を漕ぐと待望の頂上に到着。樹木に覆われていると思っていたが東、南側が予想外に展らけていて、鎌、御在所がよく見えた。スカイラインが延々と続いているのも見える。
.引き返して再び東雨乞岳の頂上(←)に立って、缶ビールで乾杯する。下り道は何と言っても楽で、直ぐに七人山を通過、河原へ降りてクラ谷と愛知川の出合近くで昼食にした。
 愛知川源流より後は、やはり嫌な道で、うんざりする程長く感じた。最後の水場で顔を洗い、さっぱりして、とうとうあのススキの原に帰って来た。
 強い日差しに白いススキの穂がキラキラ光り、その上に鎌ヶ岳がくっきりと青空に浮かんで、私達の7マウンテン完登を祝福しているかのように見えた。  
<コースタイム>6:54武平峠駐車場7:07…武平峠7:16…登山口7:37……8:37愛知川源流(朝食)…10:07七人山コル10:18…10:56東雨乞岳11:05…11:24雨乞岳11:38…11:48東雨乞岳12:05…12:28七人山コル…12:53昼食13:25…13:57愛知川源流…15:15駐車場 (1991.09.21) 

私の関西百山
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