剣 山 の 花


   


キレンゲショウマ(黄蓮華升麻) ユキノシタ科

「生きた化石」といわれるこの花は、明治時代に石鎚山で発見された。日本人が始めて学名を発表した植物で、昭和天皇もこよなくこの花を愛したという。四国の深山にひっそりと咲く花は、1997年、のちにTVドラマ化もされた宮尾登美子の小説「天涯の花」で一躍有名になった。小説の舞台となった剣山では、岩の多い行場付近に8月、群生して咲く。



イヨフウロ(伊予風露) フウロソウ科

別名・シコクフウロ(四国風露)四国の高山に咲くフウロの仲間。ヒメフウロなどに比べて、やや大きな赤紫色の花弁が特徴である。花弁に濃い赤紫の筋があり、先端が三つに分かれているものが多い。



タカネオトギリ (高嶺弟切) オトギリソウ科

四国の高山に咲く黄色の五弁花で雄しべの数が多い。この変わった名前には次の謂われがある。「昔、鷹師がこの花の汁をつけて鷹の傷を治していた。その秘訣を弟が仲間に漏らしたので、怒った兄が弟を切り殺した。それ以後、弟切という。(出典:土肥行雄 ・立山の花より)



ギンバイソウ(銀梅草) ユキノシタ科

ハート形の葉には粗い毛があり、先端が大きく二つに切れている。 花の形が白梅を思わせるところから名付けられた。




オタカラコウ(雄宝香) キク科

山中の湿地帯に咲き、2m近い高さになるものもある。

メタカラコウ(雌宝香) キク科

根の匂いが竜悩の香りに似ているという。
舌状花の数がオタカラコウより少なく、背もオタカラコウに比べて低い。

ハガクレツリフネ(葉隠釣舟) ツリフネソウ科

ツリフネソウに似ているが、花が葉の陰に隠れるように咲く。

キツリフネ(黄釣舟) ツリフネソウ科

湿地を好み群生する

ハナウド(花独活)  セリ科

ツルギハナウドのつもりで撮影したが、シシウドやハナウドの仲間には似たものが多く、同定できなかった。

コモノギク(菰野菊) キク科

山地の岩の上などでよく見る。菰野は御在所岳の山麓の地名に由来する。

レイジンソウ(怜人草) キンポウゲ科

「怜人」とは雅楽を演奏する楽人のことである。その冠に似ていることからこの名がある。


ソバナ(岨菜、蕎麦菜) キキョウ科

「岨」なら「切り立った崖に生えている」から。
「蕎麦」なら葉が蕎麦の葉に似ているから、という由来になる。さてどちらの意味から名づけられたのだろう?

シモツケ(下野)  バラ科

別名・木下野といわれるように、草のように丈が低い(約1m)が、れっきとした落葉低木である。


カニコウモリ(蟹蝙蝠) キク科

蟹の甲羅とも、蝙蝠の羽とも見える葉である。
しかしこの花がキク科とは、ちょっと思えない。

ヤマアジサイ(山紫陽花) 

剣山の行場近く、清冽な小沢の横で美しいブルーの花を咲かせていた。 

ナンゴククガイソウ(南国九蓋草) ゴマノハグサ科 (紫)

輪生する葉が何層になって茎につくことから、この名がある。本州に自生するものより南にあるので南国が付いた?

参考図書: 花かおる剣山(新居綱男・写真/尾野益大・文)、山渓ハンディ図鑑「山に咲く花」、 山と渓谷社「花の百名山登山ガイド」他


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