富士山は砂礫の山、とても花など見ることはできない。殆どの方が、そう思っておられるでしょう。確かに6合目を過ぎると、頂上までずっと鉄錆色の溶岩礫を踏んでいく道になり、辛い登りを忘れさせてくれる花々に出会うことはまずありません。

しかし、中腹の5〜6合目付近では予想外に豊かな植物相を見ることができるのです。私がこのことを知ったのは、10年ほど前から六合目宝永山荘をベースにして、山頂や宝永山に登るようになってからのことです。この六合目だけが10月中旬まで営業しているので利用し始めたのですが、ゆっくりした行程で足下を見つめる余裕も出てきたからか、たくさんの花に出会うことができました。なお、花の名前などについては、宝永山荘の渡井浩子さんからいろいろ教えて頂きました。ここに改めてお礼申し上げます。



ベニバナイチヤソウ   お中道沿いの林の中などに、ひっそりと咲いている。
            残念ながら少し時期が遅かった。


タイツリオウギ  この淡黄色の花が咲き終わると可愛らしい小さな花をつける



コケモモ  お中道の林の木陰に咲くかわいい花。初秋に小さな赤い実をつける。
      宝永山荘の奥さん手作りのコケモモ酒は絶品。
      


ミヤマオトコヤナギ  葉はヨモギに似ている。美しい淡黄色の花をつける。


コタヌキラン   カヤツリグサ科。スゲの仲間である。狸の尾に似た黄緑色の花をつける。


ミヤマヤナギ   ネコヤナギのような小さな花の集まり。
         小さい獣の尻尾のような花から綿毛がでている


フジハタザオ  他の山にも似た花があるが、これは名前通り富士山特有種


メイゲツソウ  オンタデに似た花で高山性のイタドリである。オンタデと混じって生える


ムラサキモメンズル   礫地に蔓を這わせて、淡い紫色の小花を開く。マメ科


オンタデ 富士山でもっともよく見かける花である。乾燥した荒れ地に強いので、
     森林限界付近はもちろん、かなり上でも見ることができる。
   
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