台湾の旅  

1.鶯歌・三峡・新竹

2013年3 月3日から7日までH社のツァーで「台湾10大都市周遊」の旅をしてきました。
5日間で台湾の主な観光地を巡る慌ただしい旅でしたが、初めての台湾は思いのほか見所が多く、気候も過ごしやすい季節でしたので楽しい旅になりました。
3月3日
関空を発ち3時間余りのフライトで12時過ぎ台北に着きました。さっそく陶芸の故郷といわれる鶯歌を散策します。

鶯歌 (イングー)

台湾で最大の陶芸の街として有名で「陶都」と呼ばれています。大きな陶板製案内図の前で現地ガイドの廖(リョウ)さんから説明を受けたあと、自由に街を散策します。老街の北入口の塀も、いかにも陶器の町の雰囲気です。
中国・清の時代に尖山地区で良質な粘土が発見され窯を設けたことから始まった陶器の町・鶯歌。なかでも鶯歌老街はかって尖山埔路と呼ばれ、両側に製陶工場が並んでいたそうですが、今は工場は郊外に移転して陶磁器の店を中心とした町並みになっています。
 鶯歌の焼き物は、日本統治時代には「尖山焼」の名前で台湾全土に流通しました。 一際目を引く赤煉瓦作りの建物は大きな市場です。中に入ってみると陶器や玉、石製品などの店がぎっしり並んでいました。
町の出口に流れる川に沿った建物は古い町工場の佇まいです。対岸には「鯨飛豚躍鶯歌領航」の文字とイルカ?の絵が見えました。

 今回のツァーの足となったバスは、新車で内装も美しく座席もゆったりとしています。次の目的地・三峡へは僅か20分足らずで着きました。

三峡(サンシア)

三峡渓、大漢渓、横渓の三つの川が交わる場所で、日本統治時代に今の名に改められるまで三角湧と呼ばれていました。
 バスを降りて三峡渓に架かる長福橋を渡ります。長い橋の途中にはいくつか四阿もあり、足を休めて川を眺めることもできます。
橋を渡り終えて左に折れると廟の前の小さい広場に出ます。その先に続く賑やかな通りが民権老街です。
 赤煉瓦の立派なバロック式建築が、かってお茶や樟脳、木材の輸出で栄えた町の面影を残しています。亭仔脚と呼ばれるアーチ型のアーケードが目を引きます。  
通りには雑貨や小吃(ちょっとした食べ物)、お土産屋などが並んでいます。 このお店は有名店なのか長い行列ができていました。「猪血コウ」はブタの血の入った餅を串に刺して、甘辛ソースを塗り、ピーナッツ粉と香菜をまぶしたものです。どんな味がするんでしょう?
 飴屋さんの店頭ではパフォーマンス。飴を長~~く伸ばしてから折りたたんでいきます。広場に帰ると、音楽に合わせて子犬が次々と輪を飛び抜ける路上パフォーマンスをしていました。集合して清水祖師廟に入ります。
三峡・清水祖師廟

清水祖師(本名・陳昭應)は北宋時代の役人で退職後、福建省安渓県清水巌に隠居。橋を掛けたり道路を補修するなど社会事業に献身したので人々の崇敬を集め清水祖師と呼ばれました。安渓の人は祠を建て祖師廟と呼びました。後に安渓の人が台湾に移住して三峡を定住地にした時、この土地の守護神として祖師を祀りました。祖師には様々な神秘的な伝説があります。例えば、天変地異や災いが起こるときに祖師像の鼻が落ちて人々に危険を知らせたことから「落鼻祖師」とも言われます。災難除けや福を授ける神様として人々から篤く信仰されています。
祖師廟は台湾美術の宝庫で、建物の至る所に芸術的な素晴らしい技巧がこらされています。回廊や柱の美しく精緻な彫刻は目をみはるばかり。石の階段手摺の石版には中国の故事にちなんだ場面が刻まれています。
 戦争や火災で二度の被災、再建後、1947年に台湾のガウディと呼ばれる李梅樹教授により始まった三度目の修復作業は、教授没後の現在も続けられています。
 まだまだ観ていたいところですが、残念ながら集合時間が近づきました。
長福橋の上には屋台もたくさん並んでいました。長い橋を渡り終えて唐獅子の守る門を出ます。
 台湾料理の夕食を済ませて花蓮へ向かう途中で、新竹のランタン・フェスティバルに行きました。

新竹(シンツー)

旧暦正月15日は「元宵節(げんしょうせつ)」と呼び、古くから台湾四大節句のひとつとされています。新しい年が明けて(旧元日=今年は2月10日)から最初の満月の日(2月14日)で、全てが新しく始まることを祝います。この日は家々でたくさんのランタンを灯し、家族でご馳走を食べたり外で月を愛でたりします。

ランタン・フェスティバル
は毎年この時期に台湾各地で行われますが、今年のメイン会場はここ新竹の高速鉄道駅前広場です。 
今年の会期は元宵節当日から3月10日まで。私たちがこの時期にツァーに参加した目的の一つも、この催しを見ることでした。会場の入口には伝統的なランタンが並んでいます。うっとりするような幻想的な美しさです。 お目出度い動物代表・龍と鳳凰や今年のテーマ「アニメ、テクノロジー、カルチャー」に因んだ展示を中心に、様々な工夫を凝らした色とりどりのイルミネーションが、鮮やかに夜空を飾ります。
一番の見ものは今年の干支に因んだ「蛇」。様々に色が変わります。15分に一度は音楽に合わせて回転しながら煙を吐き…極彩色に輝きます。   人混みの中を約1時間、夢のように美しくも妖しい世界に迷い込んだような一刻でした。


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