ネパールの旅 3 − スワヤンブナート

カトマンドゥの中心部から西に3qほど離れた小高い丘の上に、仏の智慧の目を描いた白いストウーパが立っています。
通称「目玉寺」と呼ばれる古い歴史を持つ寺院・スワヤンブナートです。
かって今のカトマンドゥ盆地は大きな湖でした。
ある日、湖の中の島に咲く蓮花から大日如来が姿を現しました。
その頃、文殊菩薩は中国五台山からチベット経由でインドに帰る途中でしたが、この奇瑞を知ってカトマンドゥを訪れます。
そして土地の人が湖の大蛇に苦しめられていることを知り、山を切り開いて湖と共に大蛇を葬りました。
その湖が今のカトマンドゥ盆地で、丘となって残った島に文殊菩薩が大日如来を祀ったところがスワヤンブナートという伝説があります。
はじめてこの寺を訪ねた1997年3月、私たちは初めての町を地図を頼りに歩いて行きました。
ヴィシュヌマティ川を渡ると、次第に民家が少なくなり、緩い傾斜の坂道を登っていくと緑の森が多くなります。
ようやく辿り着いたのは別のお寺(僧坊?)でした。
埃まみれになって、やっとこの美しい装飾のゲート前に出ました。
門をくぐると美しいマニ石を埋め込んだメンダンがあります。
長い長い石段の途中には、猿と乞食と物売りがずらりと並んでいました。
これは、かなり登って乞食がまとわりつかなくなってから撮った写真です。
今では、乞食の数は寺院でも市内でもずっと少なくなっているようですが、このときは大変な数で♀ペンは「一生分のお乞食さんを見た」といいました。
階段を登り切ってストーパの下に来ると、正面にこのドルジェ(金剛杵)が置かれています。
日本の密教でもお馴染みの法具で、煩悩を打ち砕く雷を発すると言われています。
塔の下を左回りに歩く(聖なる場所を歩くときの作法でコルラといいます)と、マニ車が並んでいます。
一度回せばお経を一巻読んだのと同じ功徳があると言われます
このお寺は「モンキー・テンプル」とも言われるだけに、非常にサルの多い寺です。
この写真で彫刻のように見えるのは、お供物を狙っている本物のサルです。



帰りはさすがに歩く気力がなく、テンプー(オートリキシャ)に乗りました。
70ルピーというのを50ルピーに値切りましたが、見ていたこのチビちゃんが「まだ高い30だ」と叫んでくれて、結局、タメルまで30ルピー(約50円)でした。
1996年、これまでは正面から階段を登っていたスワヤンブナートへ
今回は裏側から入りました。
 
寺院の西側をかなり上まで車で上がり、この噴水のある池の横から正面に見える奥の方に裏参道?を進みます。

奉納されたとおぼしき古い小仏塔が並んでいます。
ストーパ右手にチベット仏教のゴンパ(僧院)があります。
中では厳かに勤行が修められていました。
スワヤンブーとは「万物の創造者」、大日如来のことです。
今日もストーパの四方に描かれた「全てを見通す智慧の目」で世界を見守っておられます。
 
白い仏塔はインド様式でストーパの両側にあります。
「オム・マニ・ペニ・フム」と唱えながらマニ車を回し、明日からのトレッキングの無事を祈りました。
境内から見下ろすカトマンドゥ盆地です。
帰りは正面の階段をゲートへ下りました。

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