ネパールの旅 5 −パタン

パタンはカトマンドゥの南5キロにある古都です。
サンスクリット語でラリトプル「美の都」と呼ばれるように、町全体が美術品のように美しく、また金銀細工や木彫りなどの工芸品を作る店が多いことでも知られています。

タクシーで、マツラ王朝の旧王宮があった
ダルバール広場へ。
通りを挟んで西側(写真では左側)にはたくさんの寺院、東側には旧王宮の建物群が並んでいます。
クリシュナ・マンディールは17世紀に作られた石造りのヒンドゥー寺院です。
クリシュナ神を祀った美しい寺院ですが、ヒンドゥー教徒の他は入れません。
前にはクリシュナの乗物である鳥人・ガルーダが立っています。
白い塔は18世紀に建立された、インドのムガール形式のものです.

向かい合う旧王宮は南から北へ、スンダリ(美しいの意味)・チョーク、ムルチョーク、タレジュ寺院、デグタレ寺院…と並んでいます。
(チョーク=中庭を囲む建築物の意味)

一番北側の
マニ・ケシャブ・ナラヤン・チョークは1997年(写真の二年前)、博物館として公開されました。

この金色の門を入ると、各階にヒンドゥー教の神像、仏教の仏像、美術品がたくさん展示されています。
照明や配列も工夫されていて、とても見応えがありました。
外へ出て北へ歩きます。
通りには17〜18世紀頃の古い寺院が並んでいます。
街角の小さなお寺にも参詣の人波が絶えません。
パタンのダルバール広場から「Golden Temple」と書かれた標識に導かれて、北へ歩きます。

金色に輝いているので通称「
ゴールデン寺院」と呼ばれますが、正式にはヒラニヤ・ヴァルナ・マハヴィハールという、12世紀創建の仏教寺院です。

パタンに16ある寺院の総本山といえます。
入口の門をくぐります。
門の天井を見上げると、非常に精巧な細工の石のマンダラが嵌め込まれています。
この先から中庭に入るには、革製品を身につけることは許されません。
ベルトは外し、革靴も預けます。代わりにサンダルを貸してくれました。
中庭にある、この金色の小さなお堂は
ヒランニャバルナ・マハビハール。
写真は二階より上の部分
まばゆい装飾に飾られた本堂(クワ・バハール)です。
9世紀初めの王様が建てた古いお寺で、敬虔な祈りを捧げる人が次々訪れます。



中庭の回廊を一巡して参拝を終えました。
さらに少し北にあるクンベシュワル寺院。
14世紀末の建造でパタンで最も古く、またネパールでは珍しい五層の屋根を持つヒンドゥー寺院です。
シヴァ神を祀っています。

クンベは水瓶、イシュワルは神の意味で、境内の井戸の水はヒマラヤ地方のゴサインクンド(ヒンドゥーの聖地)からの湧水と信じられています。
奈良の東大寺二月堂の若狭井を思い出しました。この境内も地元の参詣人で賑わっていました。
ここから王宮の方へ引き返します。
ちょっとした街角の祠堂にも、このように美しい彫刻が見られます。
クンベシュワルから南へ、もう少しパタンの町を歩きます。
王宮の前をもう一度通って行くと、西側に大きな寺院があります。



15世紀創建(現在の建物は17世紀のもの)の
マチェンドラナート寺院です。
ご本尊はラト(赤い)マチェンドラナートと呼ばれ、水の神様とも観音様とも言われています。
雨期(5〜6月)に行われるお祭りでは、山車に乗ってパトン市内を巡行されます。
本堂の美しい装飾に目を惹かれます。


次はマハボーダを見ようと、マチェンドラナートから一つ北の静かな通りを東に歩きます。



さすが工芸の町と言われるだけに、仏像を作る店や金物細工の店が並んでいます。
街角に大きな仏塔がありましたので、てっきり探していたマハボーダと思ったのですが違いました。
さらに歩いていくと、こんな小さなお寺がありました。
お堂の装飾や前に置かれた彫刻がとても美しかったので門から覗いていると、近くにいた親切なオジサンが手招きして案内してくれました。
片言のネパール語の会話でよく通じませんが、
グッドマニという名のお寺のようです。
マハボーダは、回りを全て仏像工房に囲まれた分かり難い場所にあります。
さんざん歩き回って、やっと仏像屋横の露地に入口を見つけました。



高さ30m近くもある砲弾型の仏塔(シカラ様式)全面に、無数(約9,000とも)の仏像が彫刻されています。
16世紀後半にインドのブッダガヤの大塔を模して、親子三代が50年かけて制作。
現在のものは1934年の大地震後に再建されたものです。

脇に立つこの小塔からも、その壮麗さがうかがえます。
もっとよく見るには、周囲の工房兼土産物屋の二階に登る仕掛けになっているのですが、下から見るだけにして拝観を終えました。

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