2012 ネパールの旅 

(2)四つのコット

今回のツァーではナガルコット、サランコット、ラムコット、そしてトラコットと四カ所のヒマラヤ展望地を訪れました。しかし、どうしても観光ツァーのスケジュールの一つという感じが拭えず、今までのトレッキングで味わった感動は湧いてきませんでした。それでも苦労せずにヒマラヤの山々を展望できるのですから、あまり贅沢は言えません。ここでは山岳展望を中心にレポートします。


ナガルコットはカトマンドゥから北東に32km、離れています。標高2100mほどの、この丘陵地はヒマラヤの展望台として知られ、たくさんのホテルやロッジが点在しています。 私たちの泊まったクラブヒマラヤ・ナガルコット・リゾートはバス停のすぐ上にある高級ホテルで、ガラス張りのレストランからもヒマラヤの山々を展望できます。
 さっそくレストラン屋上から展望を楽しみました。ここから見えるのは主にランタンの山々で、正面に夕陽を浴びているのはガネッシュ・ヒマール山群、左はマナスルへ続く山群です。エベレストなどのクーンブの山はずっと右になります。
次第に雲が湧いてきて右のガネシュ・ヒマール1峰(7406m)が顔を隠しました。やや低い3,4峰(右)だけが残照を浴びています。さすがに冷えてきて寒さを感じます。
 翌朝、美しいヒマラヤの夜明けを迎えましたが、残念ながら朝靄に霞み、肉眼で見えた山々は写真ではぼんやりとしか写りませんでした。
サランコットはポカラ郊外にある標高1,500mほどの丘陵で、ここもヒマラヤの展望地として有名です。丘の上の方へ行くほど車が混み合うので、少し下の広場に車を停めて広い道を歩いて登ります。レストランの屋上から夜明けのヒマラヤを見てから朝食になります。寒さをこらえて見守るうちに、高い山の頂から陽が当たって次第に下りてきます。マチャプチャレの鋭鋒がバラ色に輝きだしました。
マチャプチャレの標高は6,993m。並み居るヒマラヤ・ジャイアンツに比べると高さでは劣りますが、ここから僅か30km足らずしか離れていないのでその迫力は圧倒的です。山名は「魚の尻尾」の意味で、ここからでは重なって一つに見えますが山頂部が二つに分かれた双耳峰です

マチャプチャレの右に少し離れたアンナプルナ4峰(7,525m)とアンナプルナ2峰(7937m)
少しずつ空が明るみを増してきます。マチャプチャレの左の大きな山容の左端はアンナプルナ・サウス(南峰7,219m)。
 人類が初めて登った8000m峰・アンナプルナ1峰(8,091m)は、サウスとマチャプチャレの中間辺りの奥に見えたのですが、私のカメラには捉えられませんでした。
マチャプチャレの右に見える台形の山はアンナプルナ3峰(7,556m)、右端に見える4峰は白く輝いてきました。 左の写真の右側に続きます。アンナプルナ4峰と2峰から少し離れて、中央にどっしりとした姿を見せるのはラムジュン・ヒマール(6,986m)です。眼下に見えるポカラの街もペワ湖も目覚めてきたようです
まるでアドバルーンのような真っ赤な太陽が昇ると、次第に山々の姿がくっきりと現れてきます。左はアンナプルナサウス。右のマチャプチャレの岩峰の襞もはっきりと見えます。
 存分に荘厳なヒマラヤの夜明けの景色を見たあと、二階のレストランで朝食を取り、バスでポカラに向かいました。

ラムコットはポカラ郊外にある標高1,430mの丘陵地で、ダウラギリやアンナプルナの展望に優れているところです。標高約1,100mほどの村、シャンジャでバスを降りてしばらく石畳の急坂を登ります。
 目指すラムコットの上にアンナプルナサウスが顔を出しています。
歩き始めて1時間半、標高差300mの目的地に到達しました。丘の上にヒンドゥー寺院が立っています。
 祭神はドルガーという神様で、乗り物はトラとも獅子ともいわれています。シヴァ神の妃・パールヴァティの化身の一つ(ヒンドゥー教の神様はいろんな分身をお持ちです)で殺戮の神。非常に美しいが冷酷、残忍な女神です。
ヒマラヤの山々が次第にはっきりと見えてきました。
(左のアンナプルナサウスからアンナプルナ1峰に続く山稜)

帰りは少し下った民家(バッティ・茶店?)でお茶を飲んで休みました。
 正面にアンナプルナ山群、マチャプチャレと贅沢な眺めを楽しみながら、のんびりと来た道を1時間ほどでバスの待つシャンジャに帰りました。
トラコット ポカラでのフリータイムにショートツァーの案内があり、全員が「民家訪問」を希望したので、私たちも参加しました。訪問先のトラ(トゥーロ?)コットと呼ばれる丘陵地帯の民家で家族の人達と交歓したあと、日没寸前に急いで近くの丘に登りました。
 
ここからは三つの湖が見下ろせます。これはベグナス・タール(湖)。
アンナプルナ山群やマチャプチャレが、沈む夕陽に染まる美しい光景を見ることができました。


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