カナディアン・ロッキーの花


1998年7月、カナダ・アルバータ州ロッキーマウンティンハウスのご家庭にホームスティしながら、カナディアンロッキー周辺のハイキングや観光をしました。その時の美しい花々の写真集です。
ステイ先のアランご夫妻はお二人とも元高校の博物学教員で、植物に造詣が深く、いろいろと教えて頂きました。


シャンダ山(Mt.syanda)

通称Boldy、 つまり禿頭山である。森林限界をでるとお花畑で、美ヶ原のような草原状の山頂が見える。標高は2020mでそれほど高くないが独立峰で展望がよい。 
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(1) Columbaine 日本で見るミヤマオダマキに似た優美な花である。大きいものは1m位の高さから花を釣り下げていた。色んな高度で見たが、(2)のような亜高山帯の草地のものが一番立派だった。
(2) ディセプション・パス近くの高所で咲くコロンバイン。右の薄紫色の花はWild Onion(行者ニンニク)
(3) Western Woodlily 草地や亜高山帯の林の中でみられる、大きくて派手な花。日本のユリと違って、真っ直ぐに上を向いて花を拡げている。ステイ先の家の近くの草原や、馬に乗って林の中を通ったときなど、アルバータ州花のワイルド・ローズとともに、よく見かけた。
(4)(5) Alpine Forget-Me-Not ワスレナグサの高山種。中心が黄色でうす青色の花で芳香を放つ。
見かけによらず高山の過酷な環境に負けない強い花である。
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(6) Dwarf Dogwood 日本のゴゼンタチバナの類。白いのは萼で本当の花は中心の小さな緑色のもの。秋には紅葉し美しい実をつける。Bunch Berry ともいう。割合に低い高度でたくさん見かけた。
(7) Elephant Weed  Elephant Head ともいう。林道脇の荒れ地にたくさん咲いていた。小さい花が穂状にたくさん付いている。ひとつひとつを正面から見ると、鼻があり大きな耳があってなるほどゾウに似ている。
(8) Lung Wort 1mを越す背丈の高い植物である。さまざまな高度の場所で見かけ、もうすこしピンクがかったものもあった。「昔は肺病の薬になった」と聞いたようだが、英語力不足でよく分からない。
(9) Surubby Cinquefoil 輝くようなレモン色の花が林道脇の下草に混じって咲いていた。Shrub(灌木)というように草ではなく木の花である。ロッキーに特有の種類という。
(10) Harebell 日本でいうシャジンの類。カナダでは「ウサギの鐘」か。これも低地(といっても標高1,000mは越えているが、)に多い。ついでながら「母子草」は「子猫の足の裏」だ。


パーカーズ・リッジ

サスカチュワン大氷河を見下ろす峠まで往復僅か5キロのトレッキングだが、非常に人気の高いコースである。
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(11) Wild Delphinum.  Larkspur ともいう。この植物の葉には、有毒なアルカロイドが含まれている。
(12) Scorpionweed  よく見ると紫色の雌しべの先端(葯)が黄色に光っている。マムシグサなら日本によくあるが、サソリグサは始めて見た。砂礫地にしっかり咲いていた。
(13) Alpine Marsh Marigold 大きくつややかなハート形の葉の上に、真っ白い花を咲かせる。背の高いものは30センチ近くあった。バターカップの仲間である。
(14) Alpine Willow Herb 葉が柳に似ているので、この名があると聞いた。この仲間で葉の幅の広いのは River Bauty で河原一面をピンクに染めていた。
(15) Felwort 美しいラベンダー色のリンドウ。 Four-Parted Gentian ともいう。花弁をしっかり閉ざして、上の部分だけを僅かに開いている。


スコーキートレイル

レイク・ルイーズ湖周辺にはいくつかのコースがあるが、途中でスコーキー小屋に泊まり、いくつかの峠を越えて行くこのコースは、花が多いことでも有名である。

写真はターミガン(雷鳥)湖畔.アスターの花が美しい
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(16) 斜面一面を黄色に染めるバターカップの花 (17) Alpine Buttercup はButtercupのうち森林限界から上部に咲く高山種である。太陽と青空の光を反射して黄金色に輝いていた。
(18) Moss Campion 森林限界より上の高山帯で見られるコケの花である。この写真では疎らだが、実際にはもっとびっしりとカーペット状に敷き詰めた大群落が、砂の海に浮かぶ島のように散在していた。残念ながら写真失敗。
(19) Moutaine Heather 亜高山帯上部から高山帯にかけて見られた鐘状の美しい花。
(19) Mountaine Avens 高山帯の砂礫地に見られたチングルマに似た花。
  スコーキーレイクスを見下ろすお花畑       
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(21) 緑の草地にさまざまな色の花が咲き乱れるお花畑の中でも、鮮やかな赤い色がよく目立つ。
(22) Indian Paint Brash インディアン・ペイント・ブラシはカナディアン・ロッキーを代表する美しい花である。
亜高山帯から高山帯まで幅広く分布している。高山ほど背が低く、色も鮮やかで、これは土壌の質によるものだと聞いた。
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(26) Smooth Alpine Gentian。リンドウに似ているが、始めて見た不思議な色の花である。
(27) この花も名称不明。鮮やかなレモン色
(28) Alpine Hawksbeard 小さな黄色の菊科の花。砂礫地にしっかり根を下ろした非常に強い花。
(29) Western Anemone これはウエスターン・アネモネの綿毛である。雪解けと共に白い花を咲かせるが、すでに花期を過ぎていた。
(30) Green Lily.   White Cames ともいう。百合の仲間だが、花から根まで全て毒ということだ。

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