カムチャッカ・アバチャ山の花


カムチャッカには約300の火山があり、そのうちの29が活火山でアバチャ山(2741m)もその一つです。
厳しい自然環境の中で多くの植物が生育していますが、高緯度にあるため日本では高山植物と呼ばれる植物が低い標高の地点でも見られるのが特徴です。
これは2008年7月下旬、アバチャ山登山の前後に見た花の写真集です。



 
エリゾボのスーパー前空き地

 ヤナギランがたくさん咲いていた。
 
(1) (2) (3) (4) (5)
(1)クルマユリ (07.24 パラトゥンカ温泉郷の宿舎)(1)(2) の2枚は茂木完治氏撮影。
(2)シシウド 空港から宿舎までの間でも、ヤナギランや菜の花とともに至る所に咲いていた。 
(3)名称不詳     (4)マンテマ   
(5)クサフジの類  他にもBCへの途次で車中からいろんな花を見た

 
ベースキャンプ

標高800m地点にある。
平らな草地に、管理棟や宿泊棟が並んでいる。

正面に見える双耳峰は通称・ラクダ山。
(6) (7) (8) (9) (10)
(6)ヤナギラン 背が高いのでよく目立つBCの花の主役。カナディアン・ロッキーでは「Fire Weed (火事の花)」と呼ばれていたが、ここロシアでは「Ivan Chai (イワンのお茶)」という。胃腸病などに効く薬草とされた。
(7)(8)ミヤマアズマギク  日本の山で見られるアズマギクの亜種
(9)ミヤマアキノキリンソウ?
(10)マンテマ BC周辺の草地でもたくさん咲いている。

  ラクダ山 標高約1000m

ベースキャンプへ着いた午後、足慣らしに登 った。その往復で見た花たち…
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(11)エゾツツジ 上の写真の岩稜にも、しがみつくように咲いていた。
(12)イワブクロ 北海道の樽前山で見られるのでタルマエソウと呼ばれるという。砂礫地に群生している。
(13)クモマタンポポの類?  (14)イワギキョウ
(15)Papaver microcarpum リシリヒナゲシに近いケシ科の花

  アバチャ山

標高2000mを越えた地点。下の写真はBCからここまでの砂礫地で見た花々。
ここからは粗い砂礫が大きな岩が混じる高山帯となり、殆ど植物が見られなくなる。
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(16)Eritrichium sericeum ムラサキ科 日本で見られるミヤマムラサキと似ている。
(17)ヤマハハコの類 ? 
 (18) Stellaria aaaeschscholyziana ナデシコ科ハコベ属。深く裂けた花弁は10枚に見えるが、実際は5枚。
(19)(20)チシマクモマグサ。このような砂礫地に散在する群落を作っている。


フラワートレッキング

下山日、霧雨の中を コリヤーク山麓の方へ花を見る3時間のトレッキング。
 この年は花の時期がいつもより早かったそうだが、小さい丘を越えた谷間に、まだまだいろんな種類の花が咲き残っていた。
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(21)チシマツガザクラ 北海道や早池峰山、八甲田山で生育する。ルビーのように赤い実が露に濡れていた。
(22)タカネシオガマ 日本で見られるのと同じ種?  (23)ミヤマワレモコウ 北海道日高地方や本州北部で見られる。 
(24)タカネヒゴタイの仲間?  (25) トウヤクリンドウに似ているが…?
(26) (27) (28) (29) (30)
(26)(27)エゾノツガザクラ 日本では北海道や東北北部(岩木山、鳥海山など)で見られるという。
(28)ムラサキイワベンケイ  イワベンケイの花(黄色)もやがて赤褐色になるが、この種は始めからこ の色     
(29)エゾツツジ
(30)Castilleja pallida カスティレヤ・パリーダ カナダで見たインディアン・ブラッシと同じだが、すべてこの色だった。
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(31)エゾミヤマクワガタ ミヤマクワガタより小型で葉の切れ込みが浅い
(32)エゾオヤマノエンドウ(日本固有種)に似ているが、とても色が鮮やか
(33)ユウバリソウ? (の花を開く前)と思うが定かでない
(34)〜(35)ウルップソウ 谷間一面に点々と咲いていた
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(36)タカネツメクサ属 図鑑で見るとカトウハコベに似ているが…。
(37)チョウノスケソウの一種だが、白色  (38)〜(39)チシマフウロ 低地でも咲いていた。カムチャッカでは一般的な花。
(40)名称不明

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